小説「土を喰らう日々」 - 藤庵の日記(茶の湯その他) teaceremonytouan

一椀のお茶を通して直心の交わりをいたしたいと願っています。手持ちの茶道具のほとんどは手づからのもので名物とか高価な道具はございません。丿貫の様な極侘びの茶です。お楽しみいただければ幸いです。ブログの記事には茶の湯の他日々の事など自ら記録として書き留めている事柄もございます。

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藤庵 teaceremonytouan

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茶の湯に関係することを主に書いてます。
「茶の湯は総合芸術」と言われますが、その意味は、僕はいろんな書画、陶芸工芸の貴重な作品をありがたく使用させていただいてるという謙虚な姿勢が必要だと思います。
このほか、自作の日本画や工芸作品、またアクアリウムなども掲載しています。

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小説「土を喰らう日々」



小説「土を喰らう日々」水上勉
映画化されるとの事で図書館で借りてみました♪


一言で言うなら、野山で採れる食材を禅寺での賄い経験を持つ筆者が、調理し関係する事柄を随筆にまとめたもの。




水上勉氏は禅寺に身を置いていた頃、寺の賄いの様な仕事いわゆる典座(てんぞ)の仕事もしていた経験から精進料理の事を書き記した読物となっている。


「何もない台所から絞り出すことが精進と言ったが、これは、つまり今のように店頭へ行けば何もかもが揃う時代と違って畑と相談してから決められるものだった。僕が、精進料理とは、土を喰うものだと思ったのはそのせいである。旬を喰らうと言うことはつまり土を喰うことだろう。」
今は、クワイや小芋の皮を無駄に剥きすぎているなどと言い道元禅師の「典座教訓」を引用している。


高野豆腐についてイギリスの劇作家との話も興味深い。高野豆腐の味をウェスカー氏は豆腐から滲み出た味でスープのおいしさと感じるところなど。豆腐に染み込ませ口にした時の味わいを真に感じ取れるのはやはり日本人ならではのようです。


「豆腐百珍」や「五観の偈」など食文化に関わる定番の知識も披露されていて精進料理や和食に関心の有る人には興味を持てると思います♪




3月の項末に「やたら料理の中から、言葉を見つけて本を出す料理人のことをふと連想するのだ。今こんな事を書いている自分をもうしろめたくするのだが。ただ、黙って無心に作ればよろしい。いろいろと口上を言ってまずいものが出てきたら恥ずかしいではないか。
食事は食うものであって、理屈や智織の場ではない。」


食材の話では、ほうれん草の根、たけのこ、山椒、梅干し、大根、胡麻豆腐、冬瓜、平野屋の松茸、すぐり、栗、クルミ、こんにゃく山椒焼、渋柿のはったい粉和えなどの話が興味深かったです♪


水上勉氏59歳時(53年12月)の著作、若いですね♪








映画では、再現料理を土井善晴氏が行ったそうだが、彼のあくまでも「家庭料理」と言う中でどのように再現してくれるのかも映画の一つの楽しみと期待しています。




精進料理の参考図書
「精進料理考」吉村昇洋